2018年12月23日

【レースレポート】アジアマウンテンバイクシリーズ Tambnan大会

大会名:アジアマウンテンバイクシリーズ Tambnan大会
開催地:マレーシア サバ州 タンブナン
開催期間:12月8~9日
カテゴリー:エリート
リザルト:XCO(クロスカントリー) 優勝
野生のバナナの木がたくさん〜


【主な使用機材】
コンポーネント:SRAM XX1 EAGLE 34T
ビブショーツ:SPECIALIZED SL PRO BIB SHORT
グローブ:SPECIALIZED XC LITE
サングラス:OAKLEY  RADER EV PRIZM LENS
ヘッドバンド:HALO

バイクはEPIC、タイヤはFAST TRAK2.1

天候:晴れ
コースコンディション:ドライ 

今シーズンの最後のレースが行われるのはマレーシアのボルネオ島北部。サバ州の州都コタキナバルには週一度直行便が飛んでおり、フライト時間は約6時間。コタキナバル国際空港から開催地タンブナンまでは約100kmだが、ピックアップトラックに乗って2000m級の峠を2時間かけて越える。
ピックアップトラックで峠越えに向かう

峠方面は大荒れ

日が暮れた頃タンブナンに到着。大きな山地に囲まれた街タンブナンの標高は600m程で、気温も20℃後半~30℃度前半と比較的に過ごしやすい。 
午前中は晴れ間が多いが午後はスコール

翌日からコースを歩いて確認。アウトドアセンターの施設内を利用したコースなのでコーナーの数が今まで経験したレースコースよりも多く、吊橋が4本と激坂が数本とかなりチャレンジングなレイアウト。更に今年新設されたシングルトラックの上りもなかなかの急勾配で路面も不安定で難易度が高い。他のアジアシリーズのコースに負けないテクニカルでパワーコース。
吊橋もコースになっています

いつもなら自分に向いた設定とポジティブに捉えるところだが、会場に着いた時の自分の体調は良くなかった。マレーシア出発の2日前に股ズレの傷から細菌が入り、傷口が拳程の大きさに腫れ上がり熱も出ていて、とてもサドルに腰かけ走れる状態ではなかった。遠征のキャンセルも考えたが、まずは現地に行って走れるか判断することにした。
コースウォークでライン確認

現地入り翌日はすぐにはバイクに乗らず、コースウォークのあと軽く様子をみながら2周回だけ乗ってみた。腫れた患部はかなり痛み熱もある。ただ待っていても収まる気配は感じられなかったので、腫れている部分を指で押しつぶして芯のような部分をほぐす事にした。もしそれで熱が出たら諦めもつく。
体調も回復!

翌朝、起きてみると痛みも腫れもかなり落ち着 いており、バイクに乗れる状態になっていた。コースを5周回し久しぶりに気持ち良い汗をかいた。明日のレースは走れると判断しレースに備えて体を休ませる。
部屋からコースを見下ろせる快適なバルコニー

RACE DAY

 雨の天気予報に反して快晴となり、スコールの気配もない。
朝から快晴!他クラスのレースを眺める

完全なドライコンディションとなり、試走時の想定タイムよりジュニアクラスの選手が速く走ったため、周回数が2周増えエリート男子は5周から7周に。スケジュールは多少押し気味だったが、仲良くなった各国選手たちとのんびりと待つ。
スタートセレモニー

予定時間よりも30分程遅れてレースが始まる。スタートから先頭に出ることができ、そのまま最初の吊橋に入る。ここで集団と 少しタイム差をつける事ができたが、タイの選手がピッタリと後ろについてきた。ペースを上げようと試みたが療養状態からまだ体が起きていない感じで、なかなかタイム差が広がらず気の抜けない展開が続く。

3周目を終える頃には2番手と30秒程のタイムがついていたが、まだ体が思うように動かず、決定打となるアタックが出せない。しかし5周目に入りやっと体の反応が良くなってきた。ペースを上げていき、ラッ プタイムもレース前半よりも速いタイムを刻んでいた。2番手とのタイム差も開き出した。最終周もペースを上げて走りを続けそのままトップでゴール。


ネガティブな状態でのぞんだ最終戦のタンブナン大会だったが、良い流れに引き戻しレースを戦う事ができたのは、自分にとって自信になり良い経験にもなった。ここで 得た感覚を来シーズンのレースにつなげていきたいと思う。とても長いシーズンでしたが、多くの素晴らしい出会いがあり、たくさんの方々に支えられて無事にシーズンを終えたことに感謝申し上げます。また来シーズンも宜しくお願い致します。












SPECIALIZED RACING JAPAN
平林 安里















NIPPON SKI RESORT DEVELOPMENT 日本スキー場開発株式会社




















2018年11月18日

【レースレポート】アジアマウンテンバイクシリーズ Kuching大会

大会名:アジアマウンテンバイクシリーズ Kuching大会
開催地:マレーシア サラワク州 クチン 
開催期間:11月10~11日
カテゴリー:エリート
リザルト:XCO(クロスカントリー) 優勝


【主な使用機材】
コンポーネント:SRAM XX1 EAGLE 34T
ビブショーツ:SPECIALIZED SL PRO BIB SHORT
グローブ:SPECIALIZED XC LITE
サングラス:OAKLEY  RADER EV PRIZM LENS
ヘッドバンド:HALO

天候:晴れ/スコール

コースコンディション:ウェット


今回の大会の開催地はマレーシアボルネオ島北西部、サラワク州の州都であるクチン市。日本からの直行便がないため、成田空港を夜中に出発しクアラルンプールでトランジット。

クチン国際空港には予定通り朝9時30分に到着。クアラルンプールから同じ便で移動してきた台北チームとともにホテルへ。

午後からの試走に向けてバイクを組み立て、水などの買い出しに向かう。町中のホテルで近くにマーケットが沢山あり難なく入手。前回のレースが行われたインドネシアのチコレよりも気温も湿度も高かったが、日本で行った暑さ対策のおかげであまり暑く感じなかった。

会場までの運搬トラックが遅れ、試走開始時間より40分程遅れて会場に入り。コースは急激なアップダウンに根っこや泥沼区間が加わり、非常にテクニカルな印象。

昨年このレースに出場した選手によると、今年の難易度が高いらしい。滑りやすいシングルトラックの攻略に苦戦している選手が多かったため、1周目で先頭でシングルトラックに入るかどうかがレース展開を左右する重要なポイントとなりそうだ。


RACE DAY

ボルネオ島は10月~3月が雨季ということで、クチンの天気は30分おきにスコールが降ったり止んだり目まぐるしく変わる。天気予報はまったく当てにならない。

雨によるコースの荒れ具合はコースウォークで確認。

レーススタートの2時間前に会場入りし、気になるセクションを見て回る。比較的乾いているところが多いのと、急勾配セクションはすべて岩場だったので、タイヤはいつものFAST TRAK 2.1を選択。

アップは30分間軽めのギアで足を回し、水も頻繁にかけて体を冷やして昼の暑さに備える。


レースは6周回。予定時刻よりも少し遅れて始まる。最前列からのスタートだったが、直後に後輪をスリップさせてしまい3番手で第2コーナーへ。相手の空きをついて2番手に順位を上げ、先頭を走るカザフスタンのエース、キリル選手の後ろにつく。ここまでは前回インドネシア大会と似たような展開だったが、先頭でレースを進めたかったので、上りでアタックをかけ続けキリル選手をかわして先頭に立つ。予定通り先頭でシングルトラックに入る。急勾配区間でラインミスをしてしまい2度バイクを押して走る。途中、雨が激しく降り初めたがコースはまだドライだったので試走通りのラインを走行。1周目を終えた時点で2位に30秒以上の差をつける事に成功。順調にレースを進めることができており、4周目を終える頃には2位に3分以上のリードを獲得。

しかし5周目のコース中盤で後輪のエアが半分以上抜けているのを確認。フィードまであと2キロもあり後続の追い上げが気になったが走るしかない。全力で重いペダルを漕いで最終周のフィードで後輪を交換。思いのほか2位とのタイム差が大きかったが、追い上げられているのは間違いない。交換後はアタックをかけペースを上げるが、またしても前周とまったく同じ場所でパンク。エアは抜けきってタイヤは完全にフラット。

今度は流石に逃げ切れないだろうと思ったが、諦めるわけにはいかない。後ろを見ずに重く回らないペダルを全力で踏み続ける。とにかく必死だった。高負荷走行の疲労と高い気温による熱中症の影響かは定かでないが、自分の走っているポジションが分からないままフィニッシュラインを越える。ゴール後スタッフから順位を教えられ優勝と知った。


レース中は2度のパンクというトラブルもあり、非常に苦しい状況での走行だったが、そんな中で勝てた事は自信になった。アジアのレースでの盛り上がり、温かいホスピタリティは大きなモチベーションとなりました。

熱中症の対処をしていただいた救護隊の皆さん、最後まで応援してくれたアジアの皆さんにも感謝しています。次戦も良いレースができるよう頑張ります。

SPECIALIZED RACING JAPAN


平林 安里














NIPPON SKI RESORT DEVELOPMENT 日本スキー場開発株式会社